奈良県障害者社会参加推進センター

センターの設置目的

奈良県障害者社会参加推進センターは、誰もが家庭や地域で明るく暮らせる社会づくりに向けて、障害の理解促進と、障害のある人の地域における自立生活と社会参加の促進を目的としています。

障害者が暮らしやすい社会の実現を目指しての提言

人は誰でも、障害のある・なしに関わらず、住み慣れた地域で安心して生活出来る事を望んでいます。しかしながら、障害者が地域で暮らしていくには、日常生活の中で様々な問題・課題が生じており、暮らしにくさを感じています。
県や県内障害者関係団体等で構成する「奈良県障害者社会参加推進センター協議会」(※1)では、平成21年度から、このような問題について各団体から広範多岐にわたり意見を出し合い協議を重ね、今回、社会全体で取り組んでもらいたいと考える下記の3項目について、提言することとしました。 障害者が日常生活で感じている暮らしにくさや問題点を広く社会全体で理解してもらい、必要な配慮や支援を行うことにより、障害のある人もない人も暮らしやすい社会が実現することを願っています。

1.障害者用(車椅子利用者用)駐車場について

  • (1)真に利用しなければならない人だけが必要な時のみ利用するなど、障害のない人も障害のある人も利用ルールやマナーを必ず守りましょう。

  • (2)障害者や身体の不自由な高齢者など、障害者用(車椅子利用者用)駐車場を必要とする人は年々増加しています。公的機関や民間の店舗等に、障害者用(車椅子利用者用)駐車場が増設されることを強く希望します。

  • (3)障害者用(車椅子利用者用)駐車場以外にも、常に介護や介助が必要な人を同伴している家族等のためにも、普通のスペースでよいので、出入り口に近い場所等に障害者用(車椅子利用者以外の障害者用)駐車場の設置も検討してください。

  • (4)佐賀県等で実施されている、パーキングパーミット制度の導入を検討してほしい。

2.障害者用トイレについて

  • (1)障害者が社会の様々な場所に出向き安心して活動するためには、公共施設をはじめ、まちの中に障害者が利用できるトイレが必要です。様々な障害特性に応じたトイレの設置・増設を強く希望します。

  • 様々な障害特性に応じたトイレとは、

    • ・車椅子でも利用できるようスペースを広く、手すり等を設置しドアは横開き等の配慮がされたもの。
    • ・身体の大きな障害者でもおむつ交換ができるよう大人用の折りたたみベットを設置したもの。
    • ・ストマー(人工肛門や人工膀胱)を装着している人(オストメイト)のための洗浄場所等を設置したもの。
    • ・視覚障害者の為の(トイレ内の案内を音声で行う)音声対応装置を設置したもの。
  • (2)障害者の中には、一般のトイレを利用することが難しく、その障害者の特性に対応したトイレしか利用できない人がいます。障害者用トイレについては、真に利用しなければならない人だけが利用するなど、障害のない人も障害のある人も利用ルールやマナーを必ず守りましょう。

  • (3)障害者用トイレの表示は、どのような機能があるのか誰でもわかるよう分かりやすい表示としてください。この場合、聴覚障害者や視覚障害者、文字等が理解しにくい障害者等にも分かりやすい提示等の配慮もお願いします。

3.防災・災害について

身体が不自由だったり、情報伝達等コミュニケーションが困難な障害者については、災害発生時における迅速な避難や情報の享受、不特定多数の人達とのコミュニケーション等において非常に困難な状態となることが想定されます。このような非常時に障害者の安全を確保するためには、各障害の特性に応じた以下のような対応がとくに必要となります。行政機関をはじめ地域の方々の配慮と積極的な協力をお願します。

障害者全般の場合

  • ・災害時に対応出来る「福祉避難所」の設置

  • ・障害者に必要な「薬」の供給が出来る体制の確保

身体が不自由な障害者の場合

  • ・一人や家族だけでは、連絡をとったり避難所まで移動することが難しい場合があるので、近隣住民による安否確認、避難所への移動支援の協力

  • ・障害特性に対応したトイレの設置など避難所施設のバリアフリー化などの配慮

視覚障害者の場合

  • ・点字版防災マニュアルの作成や避難所の点字による誘導表示板の設置など、視覚障害者にも確実に情報が伝達される方法の検討

聴覚障害者・難聴者の場合

  • ・聴覚障害者や難聴者は一見して障害者であることがわかりにくく十分な支援が受けられない場合があるので、避難所等では特に情報伝達に関する配慮をすることが必要

  • ・近隣住民による安否確認、避難所への移動支援への協力、避難所における声かけなどの協力

  • ・災害時でも十分な情報享受ができるよう手話通訳や要約筆記、文字放送などのコミュニケーション手法の確保(避難所へのマップの作成等)

オストミーの場合

  • ・避難所のトイレをオストメイト対応にする、ストマー交換場所(人目につかない所)を用意する等の配慮

知的障害者の場合

  • ・一人や家族だけでは、連絡をとったり避難所まで移動することが難しい場合があるので、近隣住民による安否確認、避難所への移動支援の協力が必要

  • ・集団の中では、パニック(混乱)を起こす人もいる。静かになれる場所が必要

  • ・パニックを起こすために、避難所にいけずにマイカーなどで過ごす人もいる。避難出来ない障害者家族への支援が必要

  • ・避難所での表示は、絵文字を使ったり、漢字にルビを打つなどの配慮が必要

  • ・適応行動が遅い人もいる。言葉で、自分の意思を伝えるのが苦手なため、ゆっくりと関わって下さる支援者が必要

精神障害者の場合

  • ・障害を伏せているケースが多いため、情報伝達がスムーズにいかない場合があるので、配慮が必要

<参考>

※1 「奈良県障害者社会参加推進センター協議会」の説明

このセンターの活動内容を協議・検討するため、県内の障害者関係団体及び県が構成員となる「奈良県障害者社会参加推進センター協議会」を設置しています。

<構成団体等>

  • ・ 奈良県身体障害者福祉協会連合会
  • ・ (一社)奈良県聴覚障害者協会
  • ・ 奈良県中途失聴・難聴者協会
  • ・ 奈良県肢体不自由児者父母の会連合会
  • ・ (NPO法人)奈良県精神障害者家族会連合会
  • ・ 奈良県医療政策局疾病対策課
  • ・ (一社)奈良県視覚障害者福祉協会
  • ・ 奈良県脊髄損傷者協会
  • ・ (公社)日本オストミー協会奈良県支部
  • ・ (一社)奈良県手をつなぐ育成会
  • ・ 奈良県福祉医療部障害福祉課